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デジタルが自然に業務に溶け込む時代は既に来ている――「DXの第一人者」が語るDAPの役割

こんにちは!
テックタッチ広報担当です。

テックタッチでは、大手企業のお客様を中心にデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)「テックタッチ」の導入を進めています。

B&DX社長の安部慶喜氏は、大手企業を中心に多くの日本企業の変革を支援し、「DXや人財X(変革)の第一人者」と呼ばれています。DXを推進するうえで、システム活用を促すデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)は、どのような役割を担うことができるのでしょうか。同社・安部氏に、テックタッチ代表の井無田がインタビューしました。

<安部氏プロフィール>
B&DX株式会社 代表取締役社長 安部慶喜(あべ・よしのぶ)氏
B&DX代表取締役社長。大学院卒業後、デロイト トーマツ コンサルティング(現:アビームコンサルティング)に入社し、経営コンサルティングに従事。2011年より執行役員。15年からは経営改革部門の責任者を務める。21年、B&DXを設立。DXの第一人者としてNHKのニュース番組への出演ほか、多数のメディアで活躍している。


従業員の「体験」の変化が企業の未来につながる

―――安部さんは長年、デジタルや人財を核とした日本企業の変革を支援しておられますね。

安部氏:生成AIに象徴される通り、テクノロジーの進化のスピードは加速しています。多くの企業が、DX的な思考を持つ人財の育成を重視していますが、私はそのためにもっとも大切なのは、「体験」だと思います。「便利だ」「これはもっと使いたい」と思えば、人は自然とテクノロジーを使うはず。従業員の体験が変わることで、意識が変わり、企業の未来を支える人財に育っていくはずです。

―――私たちが手掛けている「テックタッチ」も、システム活用のユーザー体験を変えることで企業のDXを後押ししようとしています。

B&DX株式会社 安部慶喜氏

安部氏:DAPは、従業員の働き方を変えることができるツールだと思います。「テックタッチ」によって従業員がストレスなくシステムを活用できるようになれば、操作方法がわからず悩んだり、マニュアルを見たり問い合わせたりする時間を、本来費やすべき本業に使うことができるようになります。

ただ、「テックタッチで○分、○時間節約できて、その分のコストが削減できた」というのは、確かに大事かもしれませんが、それよりも、こうしたわずらわしさがなくなることに意味がある。従業員が、「システムをどう操作するか」ではない、本来考えるべきところに思考を向けられるようになることが大きいと思います。

体験で「こう変わる」という姿をイメージしてもらう

テックタッチ株式会社 井無田 仲

―――安部さんは、日本でもいち早く、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション:ソフトウェアロボットによる業務自動化システム)の活用による業務改革に取り組まれた「RPA普及の仕掛け人」でもあります。RPAも、従業員体験を大きく変えましたが、普及にあたってはどのような工夫をされましたか。

安部氏:「RPAとはどんなツールなのか」という仕組みを説明したところで、「ふうん」で終わってしまい、なかなか興味は持たれません。

一番インパクトがあるのは、「RPAによって変わった姿」を見せることです。体験する一歩手前で、「体験したらこう変わる」という姿を強烈にイメージしてもらうのです。

そこで私が使ったのが「動画」です。動画で、「変わった後の姿」を見せることが、意思決定者に意識改革を促す一番の方法でした。

まず、現状どんな手順で仕事をしているかを見せ、次に、RPAを使った場合にどうなるかを見せます。ボタンをクリックするだけであっという間に終わるので、「これほど手間が省けて仕事が楽になるんだ」という姿をイメージしやすくなるのです。

―――仕組みを理解してもらうよりも、端的に効果をイメージしてもらうわけですね。

安部氏:その通りです。そしてもう一つのポイントが、スモールスタートです。小さいプロジェクトでいいので、RPAによってもたらされる変化を、とにかく体験してもらいました。

―――「テックタッチ」も、RPAと同様、「使ってみれば素晴らしさがわかるけれど、使う前に導入の意思決定をしてもらうことが難しい」といった類のテクノロジーです。「動画を使って体験をイメージしてもらい、スモールスタートで変化を体験してもらう」というのは大変参考になります。

安部氏:詳細なプレゼンテーションで“うんちく”を語る必要はないのです。実際、「RPAを使っている」という意識がないままに使っている人はたくさんいますし、それでいいと思っています。

デジタルの力と、人間がデジタルを使う能力の両輪で仕事を進める

―――「使っていることを意識させないほどの使いやすさ」ですね。

安部氏:その通りです。「テックタッチ」も、使っている人の多くは「テックタッチというDAPを使っている」という意識はしていないのではないでしょうか。いつの間にか、かつてシステムを使う時に費やしていた時間を、企画を考えたり、お客さまと商談したりといった、「人が本来やるべき仕事」に振り向けることができるようになっている。

私は、日本企業の多くの従業員が「オペレーター」(作業者)になっていることを危惧しています。誰もが、受け身で“作業”するだけのオペレーションから離れ、能動的に業務改革を推進する業務コンサルになってほしい。テックタッチのDAPは、その第一歩になると感じています。

従来のシステムは、「どこに構築し、どの業務に適用するか」を意識しながら作られるものでしたが、DXにおけるデジタルは、あらゆる仕事の中に存在し、すべての人びとの仕事をやりやすくします。デジタルの力と、人間がデジタルを使う能力の両輪で仕事を進めるのが当たり前になっている。デジタルが自然に業務に溶け込み、デジタルがないと仕事ができないという時代が、既に来ているのです。

私は、「仕事をする環境をいかに整えるか」は経営そのものだと思います。システムはあくまでも手段。従業員の意識を変え、仕事の仕方を変革するためにはどのような環境が必要なのか、ぜひ経営者に考えてほしいです。

―――私たちも、「デジタルが自然に業務に溶け込んだ」環境づくりを支えていきたいと思います。非常に示唆深いお話をありがとうございました。


B&DX株式会社の安部さま、ご協力いただきありがとうございました!
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