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データ入力・活用を仕組み化するためにテックタッチを導入 〜その先にある、「人が中心」のDXとは 〜

こんにちは!
テックタッチ広報担当です。

テックタッチでは、大手企業を中心に「テックタッチ」の導入を進めています。

今回は、グローバルで勝ち抜くための基盤作りとしてIT利活用/DX推進に取り組む、三菱マテリアルグループ(以下、三菱マテリアル)のCIO 兼 戦略本社システム戦略部長 板野則弘氏に、代表の井無田がインタビュー。「テックタッチ」を選んだ理由、デジタル化の効果について聞きました。

<板野氏プロフィール>
1989年に三菱化成(現三菱ケミカル)へ入社し、生産技術エンジニアとして、自動化、機器設計、システム化等を担う。1996年に米国サンフランシスコシリコンバレーに3年間駐在。帰国後、情報システム部に異動しIT活用推進。2021年、転職にて三菱マテリアルCIO兼システム戦略部長となり現在に至る。


「テックタッチ」が従業員のリテラシー向上を後押し

―――「テックタッチ」を営業管理システムをはじめとする複数システムに導入してくださっていますが、率直な感想をお聞かせいただけますか。

板野氏:当社に合っているソリューションだと感じています。これまでDX推進や全社員のITリテラシーを上げるために研修を行ってきました。しかし、研修だけではカバーしきれず、ヘルプデスクに電話が入ることもありました。

「テックタッチ」を導入したことで、社員が、わからないことがあっても画面上ですぐに細やかな説明を見られて、ITリテラシーも上がり、生産性や効率も間違いなく上がっています。我々が向かおうとしているビジョンに合致していて、抵抗もなくスムーズに導入できました。

日本のシステムの問題点として、ITインフラを入れること、データの箱を整えることに特化しすぎているところがあると思いますが、私の役割はきちんと運用に載せること。そのためのステップとしてデータをきちんと集める仕組みをつくり、それをどう活用するか考えることです。全部自分たちだけでやるのではなく、企業間での連携も重要だと思っているので、テックタッチさんとの取り組みも重要ですよね。

―――ありがとうございます。三菱マテリアルではいつからDX推進を始めたのでしょうか。

板野氏:2017年に会社の変革期がありました。どうにかして現状を変えていかなくてはいけない。そこで経営陣で徹底的に話し合い、全社を挙げて4つの経営改革「CX(Corporate Transformation)」「HRX(Human  Resources Transformation)」「DX(Digital Transformation)」「業務効率化」に取り組むことにしました。「CX」は最適なグループ経営形態への改革、「HRX」は人材確保・人事制度・働き方の改革、「DX」はデータとデジタル技術活用による改革、「業務効率化」は組織や仕事のやり方の見直しを目的としています。

2020年から、独自のDX戦略を「MMDX(三菱マテリアル・デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション)」と名付けて、ビジネス付加価値向上、オペレーション競争力向上、経営スピード向上の3本柱で推進しました。2022年下期からは「MMDX2.0」に名前を変えて、ものづくりの強化と従来のテーマを着実に実行するための体制強化などを行い、新たなフェーズにシフトしています。

経営と現場の連携がDX推進のカギ

―――DX推進に必要なことは何だと考えていますか。

板野氏:DXに限ったことではないですが、何か新しいことをやりたいと思ったときに、大抵そこにある論理や説明資料は“やる側”の視点が強く入ってます。“やる側”とは、新しいプロジェクトを考えて推進する経営側のこと。ここに、本来DXの主役になるべき現場「人」の視点を加えることによって、経営・事業の目指すDXのテーマを実行する推進体制が出来るのです。

つまり、経営主導のトップダウンアプローチと、現場「人」を主役としたボトムアップアプローチの両方がうまくバランスすることが、DX成功のカギだと思います。ですので、当社では、MMDX2.0で、「DXチャレンジ制度」という現場の従業員がDXのアイデアを出し実行に移せる、また失敗しても許容する仕組みを作りました。

―――現場がDXを主導する仕組みを作ったのは素晴らしいことですね。では、DX推進における経営側の役割は何でしょうか。

板野氏:もしあなたの目の前に、新しいことをやりたいと大きな意欲を持った人がいたとしたら、その人をどうやって助けますか?DXチャレンジ制度では、まず、失敗を許す心理的安全領域を作り、予算を提供します。次に専門家を寄り添わせ、IT環境と研修プログラムを提供すると、意欲を持った現場が動き出します。つまり、ボトムアップアプローチにも経営側の関与は必須なのです。

最近、社外の方に声をかけていただきDXの講演を行う機会が増えているのですが、その際に「アウェアネス」と「コンパッション」という2つのキーワードをよく使います。解釈の仕方は人それぞれですが、私は「アウェアネス=気づき」「コンパッション=利他的・思いやり」と捉えています。

「アウェアネス」を大切にするのは、デジタルを活用すると、今までのアナログ時代では特定の人にしか見えていなかった“気づきの種“が、全社員に見つけるチャンスが広がるのです。また、気づくこと、新しいことを見つけるには、自身の専門性、業務領域を超えて、他の専門領域、業務・組織と一緒に(越境して)考えることが大切になってきます。自分さえよければ良いという考え方では、斬新なアイデアは出て来ないかもしれません。そういった意味で「コンパッション」も重要なのです。

最近話題の生成AIが人を置き換えるという論調がありますが、人の作業を劇的に効率化することはあっても、現時点では、可視化の領域を出ておらず、必ず人の判断、気づきを経てDXは実行されるでしょう。

デジタル化がもたらす2つの効果

―――「テックタッチ」をはじめ、DX推進によってさまざまな業務をデジタル化されていらしたと思います。デジタル化の効果をどのように感じていますか。

板野氏:デジタル化がもたらす効果は2つあると考えています。1つは、自動化と効率化。これにより生産性が向上して、人間のリソースを合理的な作業に活用できるようになります。もう1つは、データの可視化ができること。これまで感覚的にやっていたことも、データを収集して解析すると新しい気づきがあるのです。ここが面白い。先ほど話した「アウェアネス」は、まさにこのデジタル化により可視化されたデータからの気づきの種を見つけて、DXを実行するという意味です。

―――たしかに、データの可視化は、デジタル化の最大の効果かもしれませんね。

板野氏:大事なのは、可視化されたデータを現場にも展開すること。現場で何が必要なのかは、現場で働く社員が一番よくわかっています。だからこそ、現場の社員にデータを見てもらうことで、データサイエンティストが思いつかないようなアイデアが生まれることもあるのです。

DXへの取り組みは、DX人材の育成からスタートすることも大切ですが、加えて、現場を知り尽くした人が可視化されたデータから”気づきの種”を見つけることで、DX推進ができることを実感していただきたいですね。私は、DXの本質は「デジタル化の推進と、それによって可視化された気づきの種に対して1人1人が創造性を発揮できること」だと定義し、その実現を目指しています。この1人1人とは、従業員全員なのです。

―――ありがとうございます。三菱マテリアルは現場の方々を第一に考えているからこそ、DXの成果が出ているのだとあらためて感じました。当社の「テックタッチ」も、気づきの種を生み出すきっかけになれたらうれしいです。この度は貴重なお話をうかがえて勉強になりました。


三菱マテリアルの板野さま、ご協力ありがとうございました!
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