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Engineeringチームの働き方vol.01 CTO日比野に聞く、フルリモート導入の経緯と採用活動について

みなさん、こんにちは!
テックタッチ採用広報チームです。

テックタッチでは、2022年の3月からEngineeringチームにてフルリモートワークの働き方を導入しています。今回はテックタッチ取締役 CTOの日比野にフルリモート導入の経緯、フルリモート候補者を対象とした採用活動について、また実際にフルリモートでどのようにコミュニケーションを深めているのかについて詳しく聞きました。

本記事では前編として、フルリモート導入の経緯と、フルリモート候補者を対象とした採用活動についてまとめています。来週には後編として、「CTO日比野に聞く、フルリモート環境での働き方について」と題して実際にフルリモートでどのようにコミュニケーションを深めているのかについての記事を公開しますので、そちらもぜひご覧ください!


補足:Engineeringチームとは

テックタッチでは開発組織のなかでも、エンジニアを中心としたEngineeringチームをフルリモートワークの対象者としています。
(参考:採用Deck掲載、開発組織の組織図※2023年11月現在)

エンジニアの採用強化の観点からフルリモートを導入

――まず、Engineeringチームに対してフルリモート勤務制度を導入した背景を教えてください。

日比野:フルリモートを本格的に導入したのは22年の3月からですが、「採用の観点」がいちばん大きな理由です。大手のメルカリやYahoo(現・LINEヤフー)などはフルリモートを解禁してエンジニアの募集を出していました。周りを見渡しても、多様な働き方を推奨している企業が採用でアドバンテージをとっていると感じました。

また、関東一都三県から移住した方が転職活動をする際にも、フルリモートOKの会社であることが大前提になります。自分たちが他の企業に比べてハンデを取り続けているなという思いはずっとありました。

フルリモートを本格導入するまでも半リモートワークで、出社推奨日を設けるという体制でした。その状態でクリティカルな課題に直面していなかったということもあり、フルリモート導入に踏み切りました。

――フルリモートを導入するにあたり、どういった議論が行われたのでしょうか。

日比野:テックタッチでは、大きくビジネス組織とプロダクト組織に分かれています。そしてプロダクト組織の中でもさらにエンジニアを中心としたEngineeringチームと、ビジネスチームと密にやりとりする機会の多いプロダクトマネージャー(以下、PdM)などが所属するプロダクトマネジメント(以下、PM)チームに分かれています。
 
その中でEngineeringチームだけフルリモートを導入することになると、社内に2つの方針ができてしまい、ルールに一貫性がなくなってしまうのではということは議論になりました。

ですがテックタッチのカルチャーとして、合理的な方を取っていくという考えがあります。その考えに基づいていくと、「そもそも職種や業務によって、最適なルールは違うよね」という意見でまとまりました。会社としてカルチャーなど、根幹となるものは共通して大切にしていきたいですが、ルールや働きやすさなどは、それぞれに合わせた施策を打っていくことが大切なのではないかということはフルリモート導入前から私も考えていました。

――役割により設定したルールの一つがフルリモートということですね。

日比野:その通りです。プロダクト組織の中でも、ビジネス組織と接点を持つところについてはフルリモートを解禁していません。役割によってグラデーションがあると考え、そこは無視せずにしっかり切り分けていこうと考えました。

役割によってルールは異なるとは言いましたが、社内がバラバラになるのではなく、むしろ一つになって同じ方向に向かっているんだということは意識しています。そのため、「Co-developers」という標語を掲げ、「開発者だけでなく、SalesやCustomerSuccess(以下、CS)などのビジネス組織、コーポレートチームのメンバーを含めた全員を指しており、全社一丸となってテックタッチの開発に関わっている」という意識を浸透させています。

SalesやCS、PdMは顧客からの声を全社に届け、エンジニアは作ったものを全社に共有する、という流れが全社で浸透していて、メンバーはしっかりそれを守って進めています。会社としても、積極的にプロダクトとビジネスの橋渡しをする場をオンラインで作るようにしていて、ビジネスチームとプロダクトチームがコラボレーティブな関係を築けています。

リモートワークメンバーの採用からメンバーの活躍について

――フルリモート前提での採用にあたって、候補者に伝えていること、工夫していることなどがあれば教えてください。

日比野:解禁したことで、これまでリーチできなかった候補者の方からも応募をいただけるようになりました。候補者の方といっても、経歴はさまざまです。たとえば、地方在住の方でも「ずっと地方に住んでいて、初めて東京の会社に応募する人」と「東京で働いていたけど地方に移住した人」ではかなり状況が異なります。その方の経歴に合わせて、心配事をヒアリングしてしっかりと答えていくことが大切だと思っています。

例えば前者ですと、「東京の会社のスピード感についていけるのか」といったことを聞かれたことがあります。後者だと、「どれぐらいの頻度でオフィス出社が必要ですか」や「リモート以外の人と円滑に働くために、どんな施策を取ってるんですか」という質問を多くいただきます。一人ひとりの置かれている状況を理解して話していくことは常に心がけていますね。

――初めてフルリモート勤務をする方だと、社内に溶け込めるかという不安も多そうですね。

日比野:もちろん現状、エンジニアでもリモートと出社のハイブリッド勤務をしているメンバーも多数います。けれど、オフィスを「メインストリーム」だと思ってほしくないんです。オフィスだろうが、遠隔地だろうが働いているところは関係ないというスタンスです。

オフィスに何人か出社していて、プラスリモートの人で会議をする時にも、オフィス側が1台のPCで会議に入ることは禁止です。同じ空間にいたとしても1人1台のPCで会議に入る、というルールを徹底しています。リモート側の人にも、自分がゲスト扱いのような、一歩下がったスタンスはやめてくださいとしっかりと伝えています。あくまでメンバー同士、同じ立場だという考えを強く持ってもらうようにしています。

――選考が進んで、オファーを出す際にできる限り直接お会いする機会をもうけていますよね。

日比野:オファーにあたって必ず会わなければだめかというとそうではないですが、可能な限り会うようにはしています。とはいえスケジュールがどうしても合わず、リアルでお会いしないままオファーを出した方も数名います。

会う理由としては、一緒にご飯を食べたり、お酒を飲んで話したりすることで、選考中には見せられなかった社内の雰囲気や、私たちの考え方を少しでも多く知ってほしいからです。そこを見た上で入社する、しないの判断をしてほしいと思っています。

できれば候補者の方に東京のオフィスまで来ていただいて、できるだけたくさんの一緒に働くメンバーに実際に会ってもらうことが理想ですが、都合が合わない時は私とメンバーで会いにいくこともあります。先日も新幹線に乗って、ご飯だけ食べて当日帰ってきました(笑)。オファーを出している以上、全力で会社に来てほしいと思っているということなので、やれるべきことは全てやるつもりで臨んでいます。

その結果、現在では北海道から鹿児島まで、さまざまな場所に拠点を持ちながら仲間になってくれるエンジニアが増えました。

丁寧なオンボーディングでカルチャーを伝える

――入社後のことについてお伺いします。オンボーディングについてはどのように行われているのでしょうか。

日比野:全社共通のオンボーディングは入社後5営業日、勤務時間の8時間丸々を使って行います。全社オンボーディングは、自分の所属するチーム以外の担当者とも話してもらえうように設計しています。また、分からないことがあれば何でも投稿してOKな、新メンバー向けのSlackチャンネルがあり、担当を決めず、投稿に気づいたメンバーが返信をしています。さらに新メンバーには必ずメンターがつき、細かい疑問点などもサポートするようにしています。

特徴的なのは「1on1スタンプラリー」かと思います。「1on1スタンプラリー」は、新メンバーがメンターと対象者を相談のうえ、、全社員のうち15人の人と15分ずつ1on1をする、オンボーディングのプログラムの一つです。

5日の全社オンボーディングと1on1スタンプラリーを完了すると、会社、そして仲間を理解できて、すんなりとテックタッチの一員になれると思います。

フルリモート導入前に先行する他社にヒアリングをしたのですが、「会社のカルチャーをどう伝えるかが難しい」という課題を一番多く聞きました。その点テックタッチはオンボーディングのプロセスがしっかりしていたので、心配なく踏み切れたところもあります。

補足ですが、各チームに配属後、所属チームでのオンボーディングも設けています。

――各チームのオフサイトミーティングの頻度はどれぐらいなのでしょうか。

日比野:現在のオフサイトの設計としては、3カ月に1回が一つの目安です。年4回のうち、1回が全社、1回がプロダクトチーム、2回は各チームという形でやっています。その他、全社でのイベント(BBQやクリスマスパーティなど)が年に2回あります。今後全社のオフサイトが年2回になる予定です。

全社とプロダクトチームのオフサイトは完全にオフラインですが、チームのオフサイトについては、開催形式(オンライン or オフライン)の決定を各チームに委ねています。ですが、見ているとほぼ100%オフラインで開催しているようです。お互いにコミュニケーションが取れていて、信頼関係も構築できているので、「この機会に会いたい!」とみんな思うようですね。宿泊して2、3日滞在する遠方在住のメンバーもいますね。

――コロナによる制限がなくなり、オフィス回帰の流れが多い中、テックタッチとしては今後どのような方針を取っていきますか。

日比野:その流れは確かにあると思いますが、当社としてはエンジニアについてはフルリモート勤務を継続していきます。現状でもしっかりとコラボレーティブな環境を作れていることがまず理由として1つ。そして遠隔地の候補者が実際に増えており、その方達が入社してバリューを出してくれていることも理由です。そういったことを総合的に考えると、オフィス回帰は考えにくいです。

もともと、リモートワークが一般的になる前から、オフィスに限った働き方の課題をずっと感じてきました。大きくは通勤が辛い、家族との時間や自分の時間が取れないなどです。オフィスに出社する働き方しかないと、その解決策は「オフィスの近くに住む」という選択肢しかないんですね。その状況を打破したいのもあって、オンラインの活動にベットしていきたいという思いもあります。

――最後に、テックタッチに興味を持ってくださっている未来の候補者の方に一言お願いします。

日比野:フルリモートは、「働きやすさ」の話です。仕事をしていく上で「働きがい」も大事ですが、同じぐらい「働きやすさ」も無視できないものだと考えています。今の制度も完全ではないですが、課題が出てくればそこに向き合って、今よりも改善していきたいと考えています。働きやすさ、働きがいを一緒に科学して、いい会社にできればと思っています。テックタッチは一つひとつの課題に向き合って改善していくことが好きな方にぴったりな会社です。皆様のご応募をお待ちしています。

▼テックタッチ採用ページ
https://techtouch.jp/recruit/

テックタッチ 取締役 CTO 日比野 淳 
ファンコミュニケーションズ、ユナイテッドでCRMの開発、広告ネットワーク構築、大規模toCアプリの立ち上げからグロースを経験。その後、米国に赴任し現地スタートアップと協業しモバイルランチャーアプリの立ち上げに従事。2018年3月に井無田とテックタッチを共同創業。プロダクト戦略やロードマップの立案、策定からクオリティチェックまで幅広く担当。